隣よりも近く

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 部屋中に散乱したおもちゃを箱に戻していると、たっちゃんは今しまったブロックをひっくり返し、  公園に遊びに行くと、たっちゃんはこちらを振り返りついてきていることを確認しながら好きな方向へ走り出し、  夕ご飯の支度を始めると、たっちゃんはかまってくれと足元でわめき、  私がトイレに入ると、たっちゃんは自分も入れろとドアをドンドン叩いて泣く。  トイレのドアが開くと、たっちゃんは途端ににやーっと笑って入ってきた。その涙をふこうと私がしゃがむと、たっちゃんは抱きついてきて涙と鼻水を私の胸にこすりつけた。嬉しそうに、何度も何度もこすりつけた。  すっかり空が暗くなり、寝るとき。  たっちゃんは眠りにつく前、なんだかよく動く。私の手はたっちゃんの背中を追いかけて、あっちでぽんぽん。こっちでぽんぽん。  今夜のたっちゃんは、まず立ち上がって私のお腹の上にのっかったかと思うと、体を乗り越えて逆側の布団に転がり、すぐにまた私のひざの上に仰向けに寝転んで、さらにそこからひっくり返って体を上下逆さまにして、次は私の顔の上におしりをのっけて何度か跳ねると、それから体の向きを180度回転して私の顔にほおずりして、キスして、よだれをいっぱいつけた。     
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