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ママは「家の中でしか使わないし、コップくらいいいんじゃない?」とパパに言ったけど、パパは一度言い出したらわからずやっ。「だめだ」と繰り返した。
あまりの仕打ちに、わたしはわんわん泣いてたくさんパパの悪口を言った。それでも知らん顔で新聞を読むパパに、わたしはどんどん腹が立って、叫びながらテーブルを蹴ったらパパのコーヒーがこぼれてしまい今度はママに怒られて、もっと泣いた。
あまりにもひどい!なんでわたしが怒られるの?
泣いて泣いて、泣いて……新聞を読み終わったパパがお風呂に行く頃には、わたしのノドは少しヒリヒリしていた。
「ちょっと来てごらん」
リビングで一人になったわたしに、台所からママの声。
すっかり熱くなったほっぺをこすりながら、手招きするママの方へ行くと、ママは普段あまり使わない一番下の戸棚を開けて、「ほら、見てごらん」
そこには、あのコップがあった。ママはこっそりと「パパがいないときに使ってね」と笑った。
寝る前に、ママが耳そうじをしてくれることになった。
わたしは耳そうじが好き。本当は毎日やってほしいんだけど、あんまりしょっちゅうお願いすると「まだきれいよ」ってしてくれないから、少しがまんして何日かたってからお願いするようにしている。
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