隣よりも近く

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 ん?と気がつくと、たっちゃんが足元にかけよってきていた。 「あっ、あっ、あっ、あっ」  短い両手をせいいっぱい伸ばしてうったえるので、どうしたの、と抱き上げる。  すると、たっちゃんは私の膝の上でテーブルに向かって座りなおし、元気よく「まーす!」と両手をあわせるとそこにある私のごはんをおもむろに食べだした。  「えええ?たっちゃーん」  疲れて、思わず、笑ってしまう。  そうこうしているうちに、もう、手をお椀につっこむし、ごはんごと手を口に入れるし、そしてたまに「あーん」と言ってこちらの口にもその手を入れてくれるし。  結局、食べ終わってもたっちゃんはそのまま私のひざに居座って、麦茶のボトルの蓋で遊んだり、コップに入った麦茶を吹いたりと一通りいたずらをしてから、やっとひざを降りてまたどこかへかけていった。  床に散らばった米粒やおかず達をティッシュでつまんで片付けていると、たっちゃんは横で落ちた米粒を拾って食べだし、  ごはんで汚れた服とオムツを着替えさせようとすると、たっちゃんは満面の笑みで布団にとびこみ、  汚れた服を洗面所で手洗いしていると、たっちゃんは踏み台をひっぱりだしてきて水遊びをはじめ、     
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