隣の案内人

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俺は腰を下ろし、明日の天気予報でもパソコンで調べようとマウスに手を伸ばした。 すると、天井から何かが降って来て俺の頭にぶつかり床に落ちた。 痛くはないが、何だ、と驚いた。 見れば、それは四つ折りにされた紙切れだった。 広げてみると、そこには可愛らしい文字でこう書かれていた。 「どれにする?」 は? 何のことだかわからず、俺はその紙切れを元の四つ折りに戻すと、テーブルの下の小さなゴミ箱に入れた。 飛んで来た方向からいって、投げ込んできたのは隣の女性のようだが、俺には心当たりがなく無視をした。 だが、少ししてまた同じ四つ折りの紙切れが降ってきた。 そこにも、「どれにする?」と書かれていた。 誰かと間違えているのか? そう思った俺は、さすがに壁越しに覗き込むのは失礼だと思い、個室を出て隣の個室のドアを控えめにノックした。 薄暗い通路の中、いびきと寝息が聞こえてくる。 だが、目の前の個室からは応答がなく、出てくる気配もなかった。 何度もノックする俺のことを、受付の店員が不審に思ったのかこちらをじっと見つめている。 仕方なく、俺はまた自分の個室に戻った。 一体、何なんだ。 隣の女に不信感を抱きながら、俺は天井と壁の間の空間を見上げていた。
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