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ガコン。
自販機の中でジュースの落ちる音がする。
「ほら。」
「ありがとー」
みんなはおいしそうにジュースを飲む。
そして、三人が楽しそうに会話をし始め、ひとり疎外感を感じていた俺は、ふと、目線を右にやった。
そこには、今にも線路に飛び出しそうな子供がいた。
俺は、子供に駆け寄り、声をかけた。
「こら。危ないよ。」
そういい、俺は子供の腕をつかんだ。
その瞬間、俺は、全てを悟った。
「これ」には触れちゃいけない。関わってはいけないと。
子供は振り向いた。だが、ずっと目を瞑っていた。
「…………おにーちゃんあそぼ。」
俺は恐怖のあまり、叫んだ。
「海利!?どうした?」
みんなが近づいてくる。
「やめろ!来るな!」
「海利!あんた何言ってんの一人で!」
一人………?
俺は、恐る恐る子供がいる方向へと目をやる。
「いない…………!」
「海利君!顔色悪いよ。どこか具合でも悪いの?」
「いや…………ううん。ごめん。電車、乗ろう。」
電車のドアが開く。
俺たちの悪夢はここからだった。
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