第一章

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ガコン。 自販機の中でジュースの落ちる音がする。 「ほら。」 「ありがとー」 みんなはおいしそうにジュースを飲む。 そして、三人が楽しそうに会話をし始め、ひとり疎外感を感じていた俺は、ふと、目線を右にやった。 そこには、今にも線路に飛び出しそうな子供がいた。 俺は、子供に駆け寄り、声をかけた。 「こら。危ないよ。」 そういい、俺は子供の腕をつかんだ。 その瞬間、俺は、全てを悟った。 「これ」には触れちゃいけない。関わってはいけないと。 子供は振り向いた。だが、ずっと目を瞑っていた。 「…………おにーちゃんあそぼ。」 俺は恐怖のあまり、叫んだ。 「海利!?どうした?」 みんなが近づいてくる。 「やめろ!来るな!」 「海利!あんた何言ってんの一人で!」 一人………? 俺は、恐る恐る子供がいる方向へと目をやる。 「いない…………!」 「海利君!顔色悪いよ。どこか具合でも悪いの?」 「いや…………ううん。ごめん。電車、乗ろう。」 電車のドアが開く。 俺たちの悪夢はここからだった。
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