神の在り方、人の生き方

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 人間は腐っても悟っても人の道を進むしかない。誤れば餓鬼にも地獄にも堕ちるが、それ程零落する者は元来から人間とは云い難い。  人の道を進まざるをえないのならば、自然と人としての道理が生まれ、哲学が生まれ、集まって人の住む世界が生まれる。各々生きて行く。人として考え、行動し、時に争い、調和し、なんとかやっていく。それを繰り返し繰り返し成長する。魂を修練する。ここに神の干渉する道理は無い。天地は独立して運動するのだ。であれば神が人に対して出来ることと云えば、やはり見守るだとか、寄り添うとかくらいになる。しかしこの距離感が丁度良い。  親はあまり子供を縛り付けない方が良い。伸び伸び育てさせるのが理想だ。人もあまり窮屈させると、やはり弱い生き物だから、不満が爆発してしまう。その点に於いてもやはり、神はあまり人と一々関わるべきではない。あくまで遠い存在にあれど、近くにいるような氣もする。それくらいが、少なくとも人にとっては都合いい筈だ。
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