嫁

『今晩の夕飯は、筑前煮。
口に合わないのかな？お母さん沢山残された』

『今晩の夕飯は、パエリア。全く手を付けられなかった。やっぱり和食がいいみたい。』

『今晩は、肉じゃが。味付けが少し甘かったのかな？結構残された。次はもう少し薄く作ろう』

『お母さん、あまり喋らない。具合でも悪いのかな？』

『お母さんから話しかけられることが減った気がする。』

『お母さんとの会話が無くなった。何か気分を損ねることを言ってしまったのだろうか。』

『どんなに考えても分からない。お母さんをこれ以上嫌な気持ちにさせないように、気を付けなきゃ。』

『これ以上、悪化しないように、余計なことは話さないにしよう』

『今年もお母さんにひざ掛けを編んだ。でも、やっぱり渡せなかった。』

『喋らない毎日が続いてどの位経つだろう。
本当は、お母さんと話したい。一緒に買い物に行ったりしたい。でも、叶わぬ夢。』