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涙が頬を伝った。 嫁が、こんなことを考えていたなんて、 知らなかった。分からなかった。 想像もつかなかった。 一方的に拒絶していたのは、 私の方だったのだろうか。 馴染もうとしなかったのは、 嫁ではなく、 私の方だったのだろうか。 分からなくなった。 私が笑わなかったから、 私がいつも怖い顔をしていたから、 私が嫁を受け入れていなかったから、 もしかしたら、嫁は、 入る隙がなかったのかもしれない。 嫁は、懸命に心を開こうとしていたんだ。 私は、 今までの自分を悔いた。
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