434人が本棚に入れています
本棚に追加
片手に持ってた開けたばかりのティッシュは半分...ぐらいまでに減ったけれど、満たされたので問題ないっ!
ゴミ箱?山になって、さっきより嵩が増したけど、それが何か?
ゆっくりと啓太の頭の後ろに腕を入れると、それを当たり前に受けてそのまま寝ている姿に、なかなか寝付くことはできなかった。起きたら腹のものを掻き出してやらなければなーと思って、スヤスヤと寝ている啓太の顔を見る。
夢にまで見た情事後の無防備啓太を腕枕するという最大の幸福で擦りすぎた下半身にまた熱が集まるのを心地いいと思っていたらいつの間にか寝ていた。もう、最高の夜。
「ん...けい...た?」
腕の重さがないのと、温もりがないことに気付いたら部屋は暗いままで啓太の姿がなかった。
もしかすると、風呂にでも行ったのかなと思い、また、エッチな期待が膨らみそうな俺。扉の外にでると、真っ暗な廊下で夏さんに追い込まれている啓太の姿だった。床に座り込んでしまっている姿はどこか怯えている様子。
あー、とうとう、夏さん、本性を晒したのかと思い、部屋に戻った。
どうかな、啓太。ってか、もう知ってるから驚かないか。
それよりあれか、夏さんの方が知りたい。
そんなことを色々と考えていたら扉の方から夏さんの呼ぶ声がした。
あれ、なんか普通の声色なんですけど?むしろ、声にワクワクとした感情が溢れている。
動けない啓太に手をかせとな。
任せとけーって言う感じで夏さんの反応を見たいという想いをバレないように誤魔化し、啓太の方に近付いた。
...これ、なに。
身体の奥から沸き起こる嫉妬の嵐。
赤と黒が混ざり、人の感情の醜い部分が自分にあるのだと気づく。
胸の中で浮き上がっていた物が急激に降下している。
最初のコメントを投稿しよう!