その4、手を繋いでくれた

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...どうしていつも勇士は俺をスッと引き上げてくれるんだろう。不安ばかりが埋め尽くされていきそうな時、俺はいつも勇士の言葉で助けられる。 やっぱり、こういう所がかっこいいとおもう。 それがとても嬉しいと思った。勇士の近くに入れてこうして助けてもらえる存在の自分が幸せじゃんって思った。 嬉しくなった俺は一人で笑い出しながら元の歩く速さに戻す。 すると、勇士が合わせるように追いかけてきて 「...なに、啓太はそんなことを思ってたの?」 勇士の言葉に素直に俺は頷いた。 「でも、勇士の言葉が俺の一番だからそうだなって思った。だから、俺は...こうしたい」 さっき、ドロドロな感情で手放した勇士の手を再び繋いだ。 今度は、すっきりとした気持ちだ。互いの指と指を絡ませる恋人繋ぎをしてみた。 手を見て、さっきまでの感情とは違って嬉しい。 俺はふふって笑った。 それを見た勇士が傍で、大きく息を吸い込む。 そして、上を向きながら独り言にしては大きい声ではっきりと 「...俺の啓太がカワイイことをして、俺を試そうとしますっ!!  …神様、襲ってもいいですか、いいですよね。これは正しい選択ですよね」 勇士は嬉しそうに俺の顔とつないだ手を見てはそう呟く。 いいや、呟くのではなかった。 声の大きさっ! 周りの人間が勇士の声に驚いた表情を見せる。 けど、恋人繋ぎをした俺らを見た後、勇士の言葉と重ねた後、クスクスと笑みを溢して温かい目でみてくれるのだ。
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