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学校で廊下を歩いている時のこと。
視線を前に向けると女子たちの集団に遭遇した。
あ、これ、自然現象ね。塊があると、その塊は巨大に膨らむの。もう、スライムもびっくり。
「えー、嘘っ!振られちゃったのっ!...なんで?浮気されてたとか?」
俺の耳が女子のコイバナを拾った。
おいおい、こんな場所で聞いてやるなよー、と思う俺ですが、普段、勇士から離れた俺は歩く平凡。
そんなことは口に出して言えません。
女子は消沈気味の女子を囲み、色々と聞き出そうとしている、やめてやれ。
「…彼が、つまんないって。あれの時」
「あれ」とは?
「あれって?あぁ、エッチの時の事?...でも、まだ、一か月だよね、付き合い始めて。
えっ、もう捧げたの?一か月で?それって軽くない?」
「...やっぱり、そうなんだ。うちも、迷ったよ?...でも、相手は年上だし、周りにはカワイイ子がたくさんいるからさ、焦るじゃん。
全然、気持ちよさなんてわかんないし、誤魔化してたら「お前、つまんねーんだよ」って。
でも、私、...初彼にささげたばかりなのに...どうしろっていうの...」
お、あんたさんも、脱バージンしたのかい、俺もだよ。
あー、あるよね、そういうこと。俺の場合、気持ちが良すぎて困るぐらいかな。...って、俺、ヤバくね?
俺も勇士とイチャコラし始めてもうすぐ一か月。
元々俺と勇士はトイレに行く時ぐらいしか離れる時間がない。
だから、いつもの生活に恋人としての甘い時間が増えて、それが当たり前のようなことになっている。
寝る時とか勉強中にエッチとかになるけど、今のところ勇士が俺につまんないとか思われてないんだろうなって思う。
けど、そういう時ってあの子にもあったんだろうと思ったら、俺、こんなに余裕なままでいいの?付き合って一か月で身体を許したら軽いって思われるなら、俺、初日からですけどー。
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