100の春を

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「あぁ…くそっ。なんで新入社員ってだけで場所取りさせられなきゃなんねーんだっ!パワハラかっ!!」 ー今度は若い男性ですね。私の前に敷いた青いシートの上でお酒を飲んでいるようです。 彼は、彼が話したように新入社員恒例の場所取りをしているようですね。 私の体が桃色に色づくと必ずと言って良いほど私の前には人々で溢れかえります。ー 「…お疲れ様です。場所取り、私もご一緒しますよ。」 ーお酒を飲んで不貞腐れている男性のそばに女性が来ました。 お酒で赤くなった顔をさらに赤く染め、男性は先程までの不貞腐れた表情から打って変わって嬉しそうな顔になりましたよ。ー 「せ、妹尾さん!来てくれたんですか?ありがとうございます!あ、どうぞ、飲んでください!!」 ーふふふ。可愛らしいですね。男性は妹尾と呼んだ女性を退屈させないように身振り手振りで大げさな話を必死に話しています。恋をしているのでしょうか?ー 「見て、庄司くん。桜、凄く綺麗。場所取りは大変だし嫌になるけど、この桜を独り占めしてるって思ったらなんだか贅沢じゃない?」 ー桜…つまり私を見ながらうっとりとしている妹尾という女性。…それを見ている庄司と呼ばれた男性。 私じゃなく、妹尾さんに夢中なのですね。ー
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