100の春を過ぎたら…

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100の春を過ぎたら…

夏が来ました。 暖かい日差しが強くなり、私の体は桃色から緑色に染まりました。青々とした綺麗な緑。夏にたくさんの陽の光を浴びると次の春にまたたくさんの花を咲かせることが出来ます。 春とは違い、私を見に来る人は少なくなりました。繰り返される事ですが、寂しいものですね。 ですが、私の作る影で休む人もいます。 … 「ふぅ…暑い!」 大きなお腹を抱えた女性がやって来ました。 「夏は妊婦の大敵だわ。はぁ…暑い!でも、この木の下は涼しい…。」 ーそうでしょうとも。どうぞゆっくりと涼んで行ってください。ー 「この子が産まれたら、ここでピクニックしよう。主人も連れてみんなで遊んでご飯食べて、遊びすぎて眠ってしまった我が子を見ながら主人とゆっくりとした時間を過ごそう。」 ーお待ちしてます。……と言いたいのですが、もしかしたらそれは叶わないかも知れませんね。ー しばらくしてお腹の大きな女性は帰って行きました。 … 「たっくん、ここでピクニックしようよ!あたしお弁当作って来たんだっ♪」 ーまた誰か来ましたね。若い男女のようです。ー 「え、みーちゃん料理出来るの?!」 「…ちょっと、それどう言う意味?…私だって料理くらい出来るよっ!!」 「冗談だよっ!!ありがとう。嬉しい!!みーちゃんの手料理が食べれるなんて、世界一幸せ者だな、俺!」 「…わざとらしいよ。」 「えっ。…ごめん。」 ーなんと初々しいカップルなのでしょうか。花は散らしてしまいましたが、聴いている私は桃色に染まりそうです。ー 嬉しそうにお弁当を食べ、休憩した後キャッチボールなどをして遊んだ後初々しいカップルは帰って行きました。
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