四章 技術の問い

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「じゃぁ、プログラムを仕込むのをいつにするかが問題ですね」 氏家課長が手帳をパタパタとめくる。 俺も手帳をめくる。 「社内の調整ごとがあるので、明後日はどうですか?」西園寺さんが言った。 「明後日?大丈夫ですよ」氏家課長が答えた。 「では明後日でよろしくお願いします」西園寺さんが打ち合わせを締めた。 俺たちは席を立った。 「朽木さん、ナイス説明ですね」氏家課長はまた顔の前で親指を立てた。 「は、はい。ありがとうございます」俺は声が少しうわずった。 「じゃぁ、私はここで」氏家課長がエレベーターの前でお辞儀をした。 俺たちは氏家課長に感謝を伝え、エレベーターで一階に降りた。 俺は顧客先での初仕事を終えたこととライオンの性能調査の全貌が分かった喜びから、言い得ぬ達成感を感じた。 「氏家課長、朽木のこと気に入ったみたいだな?」西園寺さんが守衛にバッジを返しながら言った。 皆、守衛に礼をする。 「そうですか?そうだと嬉しいですが」俺は照れながら言った。 「朽木くん、良かったね」上代さんが氏家課長の真似をして顔の前で親指を立てる。 「朽木、明後日だが、桐生さんとプログラムを仕込みにまたここに来てくれるか?」西園寺さんは言った。 桐生さんとプログラムを仕込みに来る……。 俺はとうとうプログラムに触ることになるのか? 俺はとんとん拍子で進む仕事の連続に嬉しくなった。 俺の出来ることが増えていく……。 「はい」俺は西園寺さんに返事した。 俺たちは電車に乗り、会社に戻った。 帰りの電車で桐生さんからプログラムの説明をしてもらったが、詳しい部分はよく分からなかった。
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