異状

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雷司は放課後真と別れてから、妙な違和感をおぼろげに気にしていた。 それは、真に近づいた時もしくは触れた時にした"匂い"だ。特に強烈なわけでも印象的なわけでもない。ただ、フワリとどことなく甘い匂いがしたような気がしたのだ。 単に、香水とかシャンプーとかの匂いではなくて…雷司が実際感じたことのある特有の香りだった。 ──そう。Ωから感じ取れるものに近い… だが、そうとなるとややこしくなってくる。雷司が思うに、真本人はβであるはずだからだ。 隠している可能性もあるだろう。もちろん、ただの気まぐれかもしれない。 そうと思えば雷司は、次真に会った時でも直接聞いてみようと片隅に考えるのであった。
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