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「っぁ、あの!たすけて…助けてください…!」 同い年だというのに瞳孔を不安定に大きくしながら敬語でそう縋る。 そのまま掴んできそうな勢いだったため、真は顔を(しか)めて後ろに下がる。 「…マジ何?気持ち悪いんだけど、てか何で下はいてないの、ヘンタイ?」 真は嫌気丸出しで落ち着きのない相手にイライラし始める。 その少し真より低身長な相手はビク、と肩を震わせ焦るような口調で言葉を続けた。 「っ次、体育なのにズボン、とられて…ッ、ジャージもたぶん持っていかれた…!でもそいつら、次の体育チャイムが鳴るまで来ないとズボン返さないって…!急がなきゃ…っ…」 彼は震えて尚、頭を抱えながら事情を声に出す。その様子は非常に慌てていてとにかく助けて欲しい一筋だ。
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