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地球滅亡宣告を受けて、1週間が経った。
一向に、そんな雰囲気は無い。
みんな日常を過ごしていて、誰も慌てる様子がないからだ。
「あと3週間。」
「わかってるって。」
ナギサの姿をしたコイツも、ずっと一緒にいる。
「マジで滅ぶんだよな?」
「ええ。100%」
「誰も何も動いてないけど。」
「あたりまえです。国家機密ですから。」
本当に滅ぶなら、バイトも大学も行く必要なんてない。だけど朝起きて、準備してしまう俺は相当に執着してる気がする。
「俺、生きたいのかな。」
「生きたいのなら、承諾すべきかと。」
「そうだよな…。」
ナギサが死んだとき、俺の日常はつまらないものになった。
大事な宝物が、突然消えたから。
なのに、ニセモノのナギサが来たときから、また色を付けだした日常。
ナギサを裏切っている気がして、無性に自分に腹が立った。
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