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「俺は、ナギサが全てだった。誰が何と言おうと、ナギサを世界一愛していたと言える。こんなに俺は生きることに執着するのに、ナギサがいない世界なんて必要ないって思うんだ。…なぁ、お前は誰だ。何がしたいんだ。俺を生かすための人形なのか?」
目の前の彼女は、目を大きく開いた。
白い頬に力が入ったのがわかった。
「…その質問には、答えられません。人形と問われれば、人形です。人かと問われれば、人です。1つ言えるのは、そんなに思ってくれて私は幸せだよ。ミヤビ。」
笑った。
少し眉を下げて、泣きそうな顔で。
「あなたが私をナギサと思わなくても、一向にかまいません。地球が滅べば関係のないこと。あなたが生きる道を選んだとしても、私は地球と共に消滅することになってます。」
「宇宙には行かないのか…?」
「私は存在しない。厳密には、あなたに計画を伝えるために生き返ることを許された存在。そのために利用される存在。」
「それだけの…」
「それでも私は、またミヤビに会いたかったから。」
会いに来てくれたのか。
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