残り時間

2/3
前へ
/30ページ
次へ
結局、外に放置するのは人としてどうかと思って中に入れた。 「なんだか、懐かしいですね。」 「あっそ。」 記憶もそのままなのか。 一人暮らしだから、ナギサもよく俺の家に来ていた。 「外でも良かったんですよ?私の存在は認知されませんし、そもそもこの世には存在してないのですから。」 あなたも私のお葬式、来たでしょ? なんて言いながらソファに座った。 「人としてだよ。俺に見えるものを放置するなんて、できるわけないだろ。」 「…そういう、優しいところ。私は好きでしたよ。」 「…うるさい。」 お前は、ナギサじゃないのに。 どうして同じ顔なんだ、どうして同じ声なんだ、 どうして…、 そうやって、俺を見つめる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加