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「先輩、遅いです」
「え…」
「喉乾きました」
少し拗ねたような声。
佐藤くんは左手を私の腰にまわしたまま、右手を伸ばしてカップを手に取った。
そして水を一気に飲み干す。
相当喉が渇いていたようだった。
「佐藤くん、私の分も飲む?」
「それは先輩が飲んでください」
「じゃあおかわりは?」
「もう大丈夫です」
彼はそう言って、また私をぎゅっと抱きしめた。
まるで、甘えん坊のよう。
酔ったら本当に人が変わるものだ。
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