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「酔ってないの?」
「俺、酒に強いんで」
「じゃあどうして酔ったフリなんかしたの!?」
「自然と先輩を家に連れ込むため?」
顔を上げると、至近距離に彼がいた。
驚く私を他所に、彼はいつものように穏やかな表情を浮かべている。
「正気?」
「正気です」
「意味がわからない」
「先輩は俺のことを男として見ないから悪いんです」
「男の前に私の後輩でしょ?」
「それが気にくわないんです」
落ち着け、私。
彼はきっと、性悪なのだろう。
俺に落とせない女はいない、みたいな。
そうだ、そうとしか考えられない。
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