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「本当に大丈夫?
気持ち悪くなったら言ってね、止めてもらうから」
「ありがとうございます」
アルコールに負けてしまった彼は、私に身を任せている。
それからしばらくの間、車が走っていると、突然佐藤くんに手をぎゅっと握られた。
私なんかよりもずっと大きく男らしい手に、思わずドキッとした。
「佐藤くん?」
「先輩、手が小さいですね」
どこか甘さのある声。
どうやら酔いが回ってきたようで、いつもの佐藤くんの姿ではなかった。
「佐藤くんが大きいんだよ」
ここは素直に合わせておく。
彼は手を離そうとはせず、逆に私の肩に置いていた頭を上げた。
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