679人が本棚に入れています
本棚に追加
「いつも思います、先輩って力弱そうだなって」
目を細めて私を見つめる彼。
完全に酔っている。
甘い表情が、さらに彼を幼くさせた。
「あ、馬鹿にしたな。握力結構あるんだからね」
「絶対ないですね」
「佐藤くんは男だからでしょう」
女にしては力はある方……と言いたいところだが。
きっと佐藤くんの言う通り、私にそこまで力などないだろう。
ただ見栄を張っただけ。
「まあ体力の方が自信あるかな!」
力はないけれど、体力には少し自信があった。
「へぇ、それは楽しみですね」
「え?」
「体力に自信があった方がいいじゃないですか」
「うん、そうだけど…」
さっき言った佐藤くんの言葉に少し違和感を感じたけれど、酔っているせいかと思い、それ以上何も言わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!