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夢を見ていた。
夢を見ている事を知っていて、私は佇んでいた。ここは舞踏会場、の入っている超高級ホテルの回廊の一間。
レッドカーペットが眼前に広がる中、私は酷く冷静にこの状況を分析し始めていた。何か良くないことが起きるに違いない……。そんな的中しそうな予感を随所に感じながら、私はこの怪しげなレッドカーペットの回廊を歩み始めようとしていた。
そうだ、たしか私は、下の舞踏会場で一幕踊ってから……、舞踏会場は一階にある。 私は額に手を遣る。じっとりと汗を掻いている。私はそのテカリを帯びて生易しそうな広げられた左手を見つめ、そしてこう思った。そうだ、私は誰かと踊っていたのだ。・・・
私は怪しげな廊下を潜り抜けて、あるべき場所へと戻る必要性を感じていた。強く、強く、とても強く、克明に。そうして、その姿をやがて脳裏に思い描いた。
そうだ、彼女だ。
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