1.5度目

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1.5度目

「さぁ、もう少しで着きますよ。」  佐渡先生はそう言いながら、細く曲がりくねった闇夜の中を颯爽とハンドルを切っていく。  私はそれには…というより、車に乗せられてから一言も返事を返さなかった。先生は沈黙が耐えられない性格なのか絶えず一人言なのかよく分からない発言を私に投げ掛けていたが、そのどれもが反応する気にはなれなかった。疲れていたというのもあるけど、ついさっきまで自分を犯していたレイプ魔と話すことなど何もないという極めて当然の理由からだった。  私は先生が運転する隣で、ガラスに移る闇一色の地平線の彼方をただひたすら見つめて、虚無感とやらに浸り続けていた。 ーーーーーーーーーー 「そんな…話が違います!!」  あの醜態から解放された私は、すぐにこの病院から出ていくつもりだった。このおぞましい場所から一刻も早く立ち去りたかったのだ。だが、当然ながらこの男はこれで解放する気など最初から無かった。 「いやー、これは申し訳ありません。最近忙しくて備品のチェックを怠っていましてね。ご覧の通り替えの下着の用意がありません。」  先生を押し退け、いくら棚を開け閉めしても、一向にショーツは見当たらなかった。どれだけ探しても女性用の下着らしき物は、先生に切られた物以外他に無かった。 「しかし、これは困りましたね。下着も履かずに外に出られる訳がないでしょうし、それに折角治療を施したというのに、体を冷やしてしまっては台無しです。局部の露出も衛生上良くありませんしね。」 「…最初から帰すつもりなんてないくせに!! このレイプ魔!!」  私は先生に飛び掛かりその首を絞めようとしたが、膣内から来る固形だか液体だか分からないおぞましい感触により、足腰がふらつき先生の目の前で膝から崩れ落ちた。露になったアソコから先生に出されたヒヤリとした物がドロっと流れ出て、私のスカートを内から汚していく。体に振動を与える度に揺れるそれは、この身が汚されたという不変の事実を突き付け、私の心を容赦なく折ってくる。嗚咽が漏れ、目からは大粒の涙がこぼれ落ち、スカートが受け皿となって吸い込んでいった。
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