第3部第1章東の国ユーマリア

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第3部第1章東の国ユーマリア

ハリムを乗せた船は、途中ラミレス島へ寄港し、30日もの長い船旅を終えて、東の国、ユーマリア大陸の玄関口、バラディ港へ到着した。バラディ港は遠く北方大陸、南方大陸まで船が出ている大きな港である。 ハリムとレメリアは、看板から降りて日差しを眩しく思った。 「えー、すみませんが、検疫でしばらくこの生き物を預かる事になります。」と、検閲官らしき男が言った。 「そうか、しばらく洗ってもやれてないので、たっぷり洗浄してやってくれ。リャマという元々は高山地帯に住む生き物だよ。」 「検疫の結果しだいでは殺処分になります。よろしいですか。」 「わかったよ。多分問題ないから、大丈夫だ。荷物を載せたいので、車を頼みたいのだが。」 「タクシー乗り場はあちらになります。」 「そうか、ありがとう。先を急いでいるので、検閲が問題なければこちらに連絡をくれ。」そう言って検閲官の持っている電子タブレットに電話番号と住所をメモして渡した。レメリアは、驚いて声も出ないようだった。 市街地から2時間ほど車で走っただろうか。森をぬけて、ユーマリアにしては自然がたくさんあるようだとレメリアは思っていた。     
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