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「それでいいわ。ハリムがお風呂からあがるまでこちらで休ませてもらいます。ありがとう、キリィ。」
キリィという名の執事なのだろうか、とレメリアは思った。年齢は30歳前後に見える。キリィは東の国にしてはずいぶんと古めかしい時代の丁寧な印象を受けたが、レメリアにとっては、その丁寧さが王室の雰囲気と似ていて、なつかしく感じられた。猫のミルキーはレメリアになついたようだ。レメリアは猫のミルキーを抱きかかえ部屋を出て、リビングルームへ行った。
「キリィはいったいいくつなの?あなたは86歳でしょう?10年も西の国を放浪していたと言っていたけれど。」
お風呂からあがったばかりでタオルで頭をふいているハリムへ、いきなり質問した。
「キリィは人型のアンドロイドだよ。そうだな、ロボット、と言えば分かるか?人間じゃないんだ。」
「!どおりで妙な感じがしたのね。東の国にしてはばかに古くさい人のような。」
「ははは。俺は旧式のが好きでね。そうプログラムしたんだ。風呂も今キリィが湯を入れ替えてくれているし、入れよ。なんせ長旅だったからな。良い風呂だぞ。」
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