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第四部 ハリム邸にて
「自動運転モードオフで来たのか?最新式のAI搭載の水素自動車買ってやったのに、なんで使わないんだよ。」
ゴボルスキーは、エンジンをかけて、AIを起動しながら言った。
〔自動運転モード、入りました。ハリム様のご自宅まで、向かいます。〕
「ゴボルスキー様、私の運転に不満があれば別ですが、最近のニュースをご覧になっておられないのは、至極残念でございます。自動運転衛星を経由して、当局の情報規制があったことがNBSの報告で上がっております。レメリア様の事を考え、念には念を押した次第でございます。」
「そいつはまあ、逆だな、次からは常に自動運転で来るんだ。いいな。ハリムも戻ってきたことだし、当局の取り締まりは一層厳しくなってる。どういう状況かはハリムの家で話す。今は怪しい動きは見せるものではない。」
「かしこまりました、ゴボルスキー様。次からは常に自動運転にいたします。」
「とりあえず出発だ、サルーン、やってくれ」
〔出発いたします。シートベルトをお締めください。〕
サルーンと呼ばれた水素電動自動車は、ゆっくりと音もなく走り出した。外は雨が降り始めていた。
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