8 先生、咲桜になにしたんですか?

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「……やっぱり流夜くんが婿でいいな」 「お前気ぃ早過ぎだ」 なにやら掛け合いのようなことを言っている師匠たち。 手にしたままだった手紙を畳んだ。これが咲桜に見せられる日は、来るのだろうか。 それは在義さんの一存次第だ。 「……流夜くん。一つ確認しておきたい」 「はい」 封筒に戻した桃子さんの手紙を手に、俺は前を向いた。在義さんは真っ直ぐに見てくる。 「咲桜はこういう子だ。それでも――例え偽ものでも、婚約者でいられるかい? 春芽くんが言い出したことも、今なら取り消せる」 在義さんの提言に、俺は一度瞼を伏せた。開いた視界の在義さんは、問う眼差しのままだ。 迷いは、俺には必要ない。 「その必要はありません」
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