2 優しさをもらった気がした。

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2 優しさをもらった気がした。

+ 咲桜side 「ごめんな、咲桜」 夜半になる直前に、在義父さんは帰ってきた。 疲れた顔をしていて、開口一番に謝られた。 私は、あははと笑って答える。 「マナさんに仕掛けられたらどうしもないってことくらいわかるよ」 「それは……そうなんだが……」 在義父さんは口ごもりながら背後を振り返った。 「流夜くん」 呼ばれて顔を見せたのは、すまなそうな顔をした先生だった。 「先生」 「遅くまで手伝ってもらったから、夕飯を食べていってもらおうと思って連れてきた」 「ああ、そういう。どうぞ。すぐにあっためなおすから」 私は準備のためにと、先にリビングに入る。 「あ、いや華取――」 「うん? なんですか?」 浮かない顔をしている先生だったけど、在義父さんが押し切って中へ入れた。 ダイニングテーブルにはラップのかけられた夕飯がセッティング済みで、在義父さんはいつものように席につく。 先生は在義父さんに勧められた向かいの椅子に座るけど、落ち着きなさそうにしている。
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