百物語

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百物語

 私達5人は、同じキャンパスの中で自然発生的につながりの出来た怪談好きの仲間でした。  特にサークル活動を立ち上げるまでには至りませんでしたが、いわば同好の士の集まりのようなもので、よく、つるんで飲みに行ったり、たまに心霊スポットに突撃したりして、怪談ライフを楽しんでおりました。  そんなある日、飲み会の席上で、安西が切り出しました。 「そう言えば、俺たち怪談好きを標榜している割には、まだ大事なことをやれていないだろ」 「何だよ、大事なことって」  お湯割りを作りながら馬場が聞きます。 「つまりあれだよ、怪談の王道!」  安西がにやにやしながらみんなの顔を見渡しました。 「王道って……ひょっとしてあれか?」  なんとなくわかったような顔で堂島が応えましたが、本当にわかって言ってるのかはわかりません。 「ひょっとして、”ひゃく”のつくやつ?」  焼き鳥をほおばりながら江森が言いました。 「正解!俺たちまだ百物語をやったことないだろ?怪談好きと言ってる以上、このままじゃ駄目だろうよ」  安西がにこにこしながらビールをあけました。     
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