百物語

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百物語

「ネタに困ったんなら、正直に言えば良かったんだ。そうして、他の人にお願いすればいいだけのことだったのになあ」  私の心を見透かしたような馬場の言葉に、一層不安が募ります。 「なんにせよ、インチキはインチキだ。そんな行為は、何よりも“お集まりいただいた沢山の人達”に凄い失礼だよな……」  重苦しい口調で堂島が告げました。 “沢山の人達”って……ここには俺たち5人しかいない筈だよな…… 「というわけで、今話してるのが本当の100話目ってわけだ。結局100話行っちゃったねえ。残念だったねえ……」  江森の皮肉な口調に合わせてみんなが笑いました。 「で、この話のオチはどんなんだったっけ?」  話を振った安西に馬場の声が続きます。 「勿論、その人は百物語を侮辱したことにより、お集まりの皆様の怒りを買って、連れて行かれてしまいました。未だにその人の行方は分からないそうです……」  その言葉に、またみんなが大声で笑いました。今度は4人よりもずっと大勢の人の笑い声が聞こえました。
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