1冊のノートに救われた幸せ

1冊のノート

「.......なんだろう、これ」

あたしの机に置かれた1冊のノート。

不思議に思いながら、あたしはそのノートを開いていった。

「.......え？」

そこには〝死ぬまでにやりたい100のこと〟と書かれていた。

「.......どうしてだろう」

これを書いた記憶もなければ、どうしてこれがあたしの机の上にあるのかもわからない。

あたしが生まれてすぐに父親が交通事故で亡くなって、2歳のときに母親も病気で亡くなった。

最初は親戚の家で暮らしていたものの、高校生のいまとなっては一人暮らし。

だから、誰かがここに置くということもありえない。

「でも、なんだか.......」

その字が、懐かしく感じて、不思議に思いながら、ペラペラとページをめくっていく。

〝お父さんとお母さんと仲直り→5/10達成〟
1ページ目にはそう書かれていた。

「もう、達成している？」

誰がどのように達成して、ここに書いたのか。
全く想像がつかないことに驚きながら、あたしはまた次のページをめくる。