1冊のノート

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「どうしたんだよ、今更話なんて」 椋くんは、不機嫌そうな顔をしながらも、あたしの家に来てくれた。 「来てくれてありがとう.......」 「ヨリ戻そうかやめてくれよ。俺はもう忘れたんだから」 あたしに目を合わせることもなく、そう言い放つ。 「うん、そんなつもりはないよ.......」 ヨリを戻すとか、一緒に育ててとかそんなことを言うつもりはない。 ただ、きちんと別れの理由を言うべきだと思ったし、産むことも認めてもらいたかった。 「じゃあ、なに?それ以外で俺に話なんかある?」 椋くんがあたしのことを見据える。 「赤ちゃんが、できた」 「.......は?」 あたしの言葉に椋くんの目がどんどん大きく開かれていく。 「椋くんとの赤ちゃん」 「いや、別にそこは疑ってない。お前が浮気するとも思ってねぇし」 椋くんの言葉にすこし胸が暖かくなる。 あんな一方的に別れを告げたのにあたしのことをきちんと信じてくれていた。 「で、なんで俺に言ってきた?」
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