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ある99人目の司書と100人目の司書
今日も今日とて俺様絶好調だぜー
とか言いながら、自分専用のフロアをゆっくりとした足取りで巡回する人影一つ。
烏羽色と言われるわずかに青みや緑みがかかった黒色の髪を一つに縛り、歩く度に尻尾の様に揺らしながら目線だけを本棚へ走らせる。
細い体に羽織られているのは、どこぞの魔法使いが使用しているような黒いローブだ。
白いシャツを身につけ、首元を青いネクタイが飾っている。
私は、ノワール・レイブンクロー。
かつてとある魔法学校で7年間学び、その果てに訪れた運命に満足出来ず、2度目の運命を紡ぎだした魔法使いである。
その時の話は、大切に大切に一冊の本へとまとめ今ではカウンターのところに飾られている。
きっとこの世界では語られる時は来ないのだろう。
あの時の物語は今でも私の心の中で脈をうち、ページは風に吹かれてパラパラとめくられ続けている。
愛しい人よ。
ああ、愛しい人たちよ。
あなたたちは、今でもそこにいるのですか?
私が願った様にあの世界で生き、穏やかに生を全うし眠りについているのですか?
後悔は決してしないと決め、あの世界を旅立った私。
そう。
その後私は満月の空に迎え入れられ、今ここにいる。
この図書館で司書を続けることを選んだ。
永遠に。
私はノワール・レイブンクロー。
99人目の司書であり、黒い烏を二つ名に持つ魔法使いである。
さあ、今日はどんなお客様がいらっしゃるでしょうか。
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