ある99人目の司書と100人目の司書

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あかいライオン 勇気の剣をくわえてはしり 「せんぱーい!ノワールせんぱーい!」 「私のフロアを走らないでください。 減点1」 黄色いあなぐま 慈愛をカップにそそぎ 「お国から応援要請が入りましたです!先輩指名で!」 「えーーー、めんどい」 あおいカラス 頭上に叡智かがやき 「言っちゃった!?はっきり言っちゃいましたね!でもダメでーす はい、これ!99人目の司書宛です!」 「『金の宝竜についての情報提供及び』… 『現場においての支援』ー? そんなむちゃくちゃな」 緑の蛇 絆と意志を胸に隠す 「図書館から出るんですか? すごい例外処置ですね」 「誰がこんな」 くるくる廻る砂時計 回せ廻せ 止めた時間の数だけまわせ 「「あ」」 「あのおじさんめーーー!」 「シリウスさんやっちゃいましたねー (まあ、いつかは職権乱用で先輩のことこき使いそうだったけど)」 真実をその眼で見極めて 羽ばたけ黒きその翼 「でも行ったる」 「あれ?その心は?」 我が名はノワール、クロの飛翔 99人目の司書であり 99年を越えることが叶わない、未熟な黒いカラスの子 「愛しの疾風隊長に会える! というわけで、留守の間はここお願いします。100人目の司書さん?」 「らじゃー! いってらっしゃい、先輩!」 この不思議な世界は私をまだまだ飽きさせない。
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