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珈琲を淹れてそれを飲み干した凪咲は、ここで漸く落ち着きを取り戻したらしい。
そんな人間に構っている暇なんて持ち合わせていない僕は、お気に入りの鷲崎さんの写真整理に勤しんでいる。
この写真…クールな鷲崎さんが笑ってる貴重な一枚だ。
ああ、こっちの写真も笑ってる。
可愛い…全部が可愛い。狂おしいほど愛おしい。
「蜜、愛しの鷲崎さんと接触してみての感想はどうだった?」
「それはもう花のように可愛かったよ。鷲崎さんね、僕に可愛いって言われて照れてた。」
「へぇ、男性陣の高嶺の花のクールな鷲崎さんでも照れるんだね。興味深いや。」
「もうね、鷲崎さんは僕を興奮させる天才なんだよね。」
「それ勝手に蜜が興奮してるだけでしょう。他には何かなかったの?」
「僕の車で一緒に帰ってね。」
「うんうん。」
「駐車場でも頬を赤らめた鷲崎さんが可愛くってね。」
「うんうん。」
「キスしたらね。」
「うんう……ん!?!?!?」
「ん?」
そういえば、鷲崎さんの唇、熱かったな。
僅かな時間しか重なっていなかったはずなのに、彼女の熱い温度が唇に残っているような気がする。
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