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彼女の話が嘘だとは思えない。
何処となく鷲崎さんと夜鷹織が似ていたのも納得できるし、誕生日が一緒だったのも双子だったからなのか。
だとしても、どうして僕はその情報を知らなかったのだろう。
全ては警察のお偉いさんの息子である凪咲からの提供だから確かな筋なはずなのに、そんな大事な情報が抜け落ちるだなんて事あるはずが……。
……。
これは、もしかしなくてもあいつの仕業じゃないか!!!!!!
「でも僕があんなにアプローチしていたのに、鷲崎さんはいつも冷たかったじゃないか。」
「だって、からかってると思ったんです。雀宮さんはモテるから、私をからかって遊んでるのかなって。」
「そんなわけないじゃない!!!」
「好きだって言われたの今日が初めてですし。」
「うっ…。」
何も言い返す言葉が見つからない。
「そっか…。私を尾行してたのも、隣の部屋に住んでいたのも、今までの言葉も全部、からかってなんかいなかったんですね。」
「当然じゃない。いつも馬鹿みたいに緊張していたんだから。」
「ふふっ、素っ気ない態度ばかりですみませんでした。……嬉しいです。」
心臓に悪い。
綺麗な顔に無邪気な笑みを浮かべる彼女に、僕の胸の鼓動は加速するばかりだ。
どうしてこんなに可愛いのだろう。
好きだ。
鷲崎さんの事が好きで、好きで、仕方がないよ。
「鷲崎さん、可愛い。」
「なっ…可愛くなんかないです。」
「可愛いよ。」
すぐに照れて、目を逸らす君も。
いつも少し冷たい君も。
「か、からかわないでください。」
「からかった事なんて一度たりともないけどね。」
素っ気ない君も。
本当は優しい君も。
ずっとずっと、四六時中見て来た僕にはどんな君も可愛く見えるんだ。
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