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「ぼくはトーマスの夢を応援するよ。ぼくの冒険譚をきみの脚本で是非、書いて欲しい」
「ありがとう。でもぼくは読み書きは苦手なんだけど。それからチャールズの冒険物語はきみ自身が書くべきだ、きみの将来の夢なんだから」
「そっか。トーマスとは良い友人になれそうだよ」
チャールズとトーマスは、この学校に入学して初めて友達になれそうな気がした。将来の目標とはかけ離れた学校にいるが、二人ならいかなる困難が待ち受けてもいようと、乗り越えられると同じことを考えた。
「決めた。ぼくは小太刀科を出たら、長剣科を選考にするよ。冒険するにはモンスターと戦えないとね」
チャールズは意を決して声をあげた。
「ボクは、どうしよう。まずは小太刀科の授業を普通に受けられるようにするよ」
トーマスも意を決して、チャールズにそう宣言した。
「お二人さんよ。夢を語り合うのは結構なことだが、現実を見たらどうだ。特にトーマス、お前が書くのはいじめられて自殺する前に書く遺書が関の山だ。ははははっ!」
ファンは仲間と浴槽から上がりながらトーマスを虚仮にする。
「言ってろよファン。きみたちには分からないさ」
「コイツ。反省会で覚えてろよっ!」ファンは浴場の戸をピシャリと閉めた。
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