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風呂から上がると、トーマスとチャールズは鍼灸院に向かう。
「いらっしゃいトーマスくんと、チャールズくん。ベッドに横になってね」
鍼灸士の指示に従い、トーマスとチャールズはベッドで横になると、全身のツボに細長い金属の針がトントンと立てられる。
足首からふくらはぎ、続いてひざの裏からお尻に向かい、背筋から後頭部にチクチクとした刺すような感覚がした後、そこからチリチリとした電流が電流が駆け巡る。
リクノコ島学校の鍼灸士は、鍼灸の時だけ魔法を使い、てのひらか針に電流を送る。
「丁度良いところで合図してね」しだいに電流を強めていく。
「先生、そこで止めて下さい」
「ぼくも、そこでいいです!」
ほどよく気持ちの良い電流が全身に流れたところで、トーマスとチャールズはストップをかけると、すっかり眠たくなり、眠りこけてしまう。
「はい、針をとるよ」
鍼灸士はトーマスとチャールズの体から針を一本一本抜くと、続いて粉末状の灸を背中のツボに置いて電流を少しだけ流して火を点ける。じりじりと焼けるような熱さが、背中からジワジワと走って来るが、だんだんと体全体が軽くなってくる。
「今日の針は終わりだよ。ゆっくり休みなよ」
トーマスとチャールズに合図をして、鍼灸士は背中に据えた灸を一つずつ取っていく。鍼灸士の針治療はトーマスたちにとって魔法のような存在だった。
からだは羽が生えたように軽くなり、頭は霧が晴れたようにスッキリとしている。
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