リクノコ島奇談

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3  リクノコ島学校の学生寮は、小さな窓が一つあるだけのこじんまりとした部屋に、生徒たちが寝るためのベッドが人数分置いてある。反省会はそこで行われた。  「お前さ、何時になったらちゃんと授業が出来るようになるんだよ」  何時ものように、ファンのこのひとことで本日の反省会は始まった。  「そうだね。近いうち」  何時もの反省会なら、しゅんとしながら小言を聞くだけで終わるのだが、トーマスは、この日は違った。  「何時もそのパターンじゃないか......」  「だったら別の言葉を言ったげるよ。いつもいつも家庭の愚痴や学校の愚痴ばかりで、悪いことはすべてひとのせいにするきみはどうなんだい? そんなだからきみは進歩出来ないんだ。毎日毎日同じ愚痴ばかりきいてるぼくはいい加減、聞きあきてるんだっ!」  「俺に口答えか......」  「ぼくはきみの奴隷じゃないんだ」トーマスは珍しくきっぱりと言い返した。  「トーマスくんの言ってることは正しいと思うよ」チャールズも賛同して首肯く。  「俺のアドバイスがそんなに気にいらないかよ。お前のためを思って言ってやってるのに」  ファンは立ち上がる。  最初こそ、自分のためのアドバイスだと思っていたが、そのアドバイスは自分の目標の役に立たないと考えたのだ。それに、今はファンの言うことを聞く必要はないとトーマスは悟った。
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