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 校長に頭を下げられた。 「校長先生がそうおしゃるなら仕方ありません」  僕は、『はぐれ刑事純情派』の嫌味な課長を意識した。 「どんな授業になるのかしらね?」  絵里が言った。  緊張して胃が痛くなってきた。 「あのぉ、校長?気になることがありまして」 「ん?」 「校長室にあったあの絵は誰の?」 「あれは私の絵だよ」 「絵を描かれるんですか?」 「うん、あまり上手くはないが」 「僕もよく絵を書きます」  メモ帳に『え、え、え、え』と書いた。 「君は面白いな?ハハハハッ」  校長が孫をあやすように笑った。  この学校に来てよかった。  こんなにも楽しい生活が待っているなんて。 「じゃあよろしく頼んだよ?」
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