0人が本棚に入れています
本棚に追加
7
校長に頭を下げられた。
「校長先生がそうおしゃるなら仕方ありません」
僕は、『はぐれ刑事純情派』の嫌味な課長を意識した。
「どんな授業になるのかしらね?」
絵里が言った。
緊張して胃が痛くなってきた。
「あのぉ、校長?気になることがありまして」
「ん?」
「校長室にあったあの絵は誰の?」
「あれは私の絵だよ」
「絵を描かれるんですか?」
「うん、あまり上手くはないが」
「僕もよく絵を書きます」
メモ帳に『え、え、え、え』と書いた。
「君は面白いな?ハハハハッ」
校長が孫をあやすように笑った。
この学校に来てよかった。
こんなにも楽しい生活が待っているなんて。
「じゃあよろしく頼んだよ?」
最初のコメントを投稿しよう!