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 秋山は新しいトリックを考えていた。  酒をムカつく奴に飲ませて運転させる。   家族を人質に取り、「飲まないと殺す」と脅す。 飲酒運転で死ぬか?警察に捕まるか?両方の恐怖を味わってもらえる。  教科担任制ってのが小学校で充実されるらしい。  様々な教科が出来ないといけない。    僕は3階を探索していた。  化学室があるが、鍵が閉まってる。  ゾンビはナイフで死んだ。  薬品があれば倒せるかも知れない。  306って大部屋に入った。鍵は開いている。  掃除用具入れから斧を手に入れた。  それにしても何でこんなところに?  あぶない奴がこの校舎の中にいるのかも?  僕と同じように自分の手を汚してでも誰かを殺してやりたいと思ってる奴が。  先生たちはそれぞれの研究室がある。  だが、生徒にはない。  また、車を持っている生徒はトランクに隠せばいいだけの話だ。  つまり、徒歩や自転車で通ってる生徒だ。  いや、目立つな?メチャクチャ、そんな物騒なもの持って入ったら。玄関には防犯カメラがある。  警備員は何をしていたのか?  トイレ?それとも腰抜けだったのかな?    黒田はソワソワしていた。 「どうしたの?キョロキョロして?」  絵里が尋ねた。 『月光』が終わり、槇原敬之の『どんなときも』が流れてる。中古品だったのか?バババババとラリってるみたいになる。 「なんだこりゃ?バグってんのか?」  絵里が腹を抱えて笑った。  黒田は306が気になって仕方がなかった。  あの斧を持ってきたのは黒田だ。  黒田は愛車パジェロに斧をのせて安全運転でやって来た。童顔だから高校生にたまーに間違われるが 、22歳だ。ゾンビが出るって噂は前から聞いていた。  ドラゴンやお姫様も住んでるらしい。  美しい人魚やピノキオもいるって噂だ。  306、鍵が壊れてるんだ。 「坂本くん遅いよねぇ?」  絵里は心配になった。 「まさか、ゾンビに喰われちまったんじゃ?」 「黒田くんどうしてそーゆー縁起でもないこというの?」  絵里は探しに行きたい気分だが、先生に新蔵に叱られたくない。絵里は弁天学園とは1年契約だ。  早く就職がしたかったからだ。  3年も通えるほどの金銭的な余裕もない。  ギャァァァッ!!              
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