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小悪魔は、いきなり王子の頭を押さえつけ、キスさせようとする。
「ひーっ。
やめてーっ、いろんな意味でーっ」
と私は叫んでいた。
そんなキス、ロマンもないしっ。
嬉しくもないっ、と思ったが、小悪魔は、
「そうやって、いろいろこだわってるから、100年も目覚めそびれたんだろうがっ」
と怒鳴り返してくる。
だが、とりあえず、王子の頭を押さえつけるのはやめてくれた。
王子は、
なにが起こったっ!?
という顔で、後頭部に手をやり、周囲を見回している。
「今だから言うが。
俺は3番目の王子も悪くないと思ってた。
こいつよりおとなしそうだし、お前のワガママにも付き合ってくれそうだったし」
いや、何故、今、それを言いますかーっ。
自分が熱心だったくせに、いざ、結婚話が進み始めると、途端に嫁にケチをつけ始める姑のようだ、とか思っている間、王子はひとり、なにやらゴソゴソしていた。
よく見れば、その手には剣がある。
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