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「はい、ご立派です。さすが・・・」
「さすが、私がお育てしただけの事はある、でしょう。なんだか、アニーに褒められるために頑張ってきたみたいね。でも、イヤじゃ無いわ」
「さあ、お食事よ」智子が袋を差し出した。
アニーは袋を覗いて「お嬢様、お菓子しかありませんが・・・」
「そうよ、ハッピーターンは嫌い?」
「・・・・いえ、大好きです」
「そう、良かった」
その頃、警察はフリーマーケットで小学生がLVのボストンバッグとシャネルの腕時計を売っていたという情報を掴んでいた。両親に照会してそれが智子の物だと把握して、捜索範囲を吉祥寺から奥多摩の方面に絞った。
車での移動は無理と考え、各駅を中心に聞き込みを行い御嶽駅、川井駅近辺に捜索範囲を絞っていった。
4日目、コンビニに食料を買いに山を下った智子は、警察が写真をもって聞き込んでいる事に気がつき焦った。急ぎ小屋に戻ってアニーにもっと山奥へ移動する事を告げた。
雨がポツポツと降り出した。
「お嬢様、インターネットにアクセスしますと天気や近辺の地図などが解りますが・・・」
「それはダメ」
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