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そう言って、どんどん山奥へ入っていった。雨がきつくなってきたので、ようやく見つけた洞穴に入って雨宿りした。何かの催事につかっていたのだろうか、中は少し広い広場になってたき火の後があった。
「少し休みましょう」知子が言った。
びしょ濡れだった。
「この雨が、私たちの痕跡も流してくれる。だから大丈夫。」
そう言って、智子は寝入った。
数時間後、アニーは智子に熱があることに気がついた。高熱だ。
慌てた。智子の命を救う為なら指示に従わなくてもいい、そう思い、現状を知らせるために回線にアクセスした。
・・・・が、繋がらなかった。それほど山奥だった。
外の豪雨は小降りになっていた。繋がるところまで山を降りようと思った時、轟音とともに崖崩れで入り口がふさがれた。
幸い、土砂では無く岩だったので少し隙間があり、外が見えたけど、人が通れるような隙間では無かった。そして隙間があったので真暗闇では無かったが、洞穴の中は暗くなった。
アニーは智子の所へ戻った。熱が高く汗をかいていた。
「お嬢様、崖崩れで入口がふさがれました」一応報告した。
「え? それは大変。出られないの?」小さな声で答えた。
「ハイ」
うっすらと目を開け、「暗いわね、夜?」
おそらく熱のせいで、事の重大性を認識出来ていなかった。アニーは幸いだと思った。
「ハイ、夜になりました」嘘をついた。
「疲れたわ。明日、考えましょう。」
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