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身体が、関節が、ギシギシ鳴って背中が熱くなっていくのが解った。
『お嬢様・・・・・』
神保警部は向かいつつあった脇道の崖の一角で小さな爆発を認めた。
駆け寄ると、人が通れるほどの穴が空き、女の子がアニーの名を泣きながら叫び、飛び散った部品を必死でかき集めていた。
神保警部にも、人型養育ロボットRC3301型-No.2508が身を挺して智子を救おうとした結果だと言う事は解った。
RC3301は次世代電池を搭載していた。高出力で安定していたが高負荷をかけると発熱し爆発する事があった。今は改善されていたが、古いタイプのRC3301はその前の電池を使っていた。ただ、自らを傷つけるようなプログラムはされていなかったので、高負荷をかける事態は発生しないとされていた。No.2501、いやアニーはその事を知っていたのだろう。
そう思いながら、智子をなだめるように、神保警部は一緒に来た警官に部品を一つ残らず集めるように指示した。そして、高熱を出しているのに泣きじゃくる智子を、休ませてから救急車を手配した。
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