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養育係を派遣しているライフサポートサービス社の担当も、家に駆けつけていて、平身低頭、ご主人と奥さんに謝りながら「そんな事は有り得ないハズなんですが・・・」と困惑していた。
3時間前・・・夕方4時
「アニー、あと一週間で辞めちゃうの?」智子が言った。
「はい、3月31日で契約が切れますので。お嬢様が6年生になられたら、私よりもっと優秀な教育係が新しく派遣されてきます。ご安心下さい。」
成績の優秀な智子は、両親がF学園を受験させようと、今までの養育主体から教育主体に契約を変更すべくライフサポートサービス社と話をしていた。普通は5年になると養育係から教育係に変更するのだが、智子が嫌がったので1年遅くなった。
智子は今年もアニーのままでいい、と主張したが「なにを馬鹿なこと言ってるの。ダメよ。」と、にべも無かった。
「次に来る教育係は今まで何人も有名校に合格させているそうです。良かったですね。」
「いやよ、私はアニーがいい。今までもずっと一緒だったじゃない。」
アニーがこの家に派遣されて住み込みで働き始めて6年間だった。
「お嬢さん、最初、私を見て驚かれたんですよ。」
アニーは思い出話を始めた。
「覚えているわ。4歳の時よね。だって、アニー、普通の日本人とは全然違うじゃ無い。」
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