7人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、反対です。」
智子は困ったような、悲しいような表情をして「アニー、お願いだから私を信じて。」と言った
アニーは迷った。客観的に見て良くない事をやっているのは明白だ。しかし、自分は智子の養育係だし、本当に尽くすべき相手は、やはり智子だと思い、迷いを捨てた。
「お嬢様、解りました。お嬢様を信じます」
JR中央線と青梅線を乗り継いで奥多摩へ向かった。
そのころ、警察はホテルではすれ違いだったが、証言から、智子とアニーだけで行動していたことや、元気だったことから、なにか第三者の事件や事故に巻き込まれたのではないと判断した。
普通は一緒にいる養育係から連絡があるはずなのに無いと言うことは、やはりアニーが智子を連れ出したのだろうか。
両親と相談し、公開捜査に切り替えた。智子はまだ子供なので、アニーの写真だけ公開し、テレビ局でもニュースで流した。
ライフサポートサービス社の担当者はそのニュースで名前を取り上げられるたびに、元気がなくなっていった。
『これは、養育係の管理不行き届きで解雇かな・・・・』心の中でそうつぶやいた。
智子達は川井駅で降りた。店先のテレビのニュースを見て、公開捜査で自分達を探していることに気がついた。
最初のコメントを投稿しよう!