不完全ラヴァーズ

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結局其の日はお泊まりになった。 (平日にお泊まりだなんて…初めて) 気怠い体をベッドに沈めていると不意に温かな感触に気が付く。 「……」 (康隆さん…寝ちゃっている) 激しい行為は日付が変わるまで続き、一緒にお風呂に入ってベッドに潜り込んでからもまた抱き合ってしまった。 (…4時、かぁ) 目にした時計はまだ起きるには早い時間を示していた。 私にくっついて眠っている康隆さんを見ていると、泣きたくなるほどの幸せを感じた。 (どうしよう…康隆さんの事が好き過ぎて…放れたくない) カッと目頭が熱くなって涙が零れそうだった。 「…泣いているの?」 「!」 康隆さんの瞑っていた目がゆっくり開き、私をジッと見つめた。 「……」 「あ…ご、ごめんなさい…起こしちゃいました?」 「起きていたから」 「そうなんですか?」 「…寿々子」 「あっ」 向かい合わせで寝ていた私の体を康隆さんはギュッと抱きしめた。 「こんな幸せな状況にいるのに寝ていられない」 「……」 「幸せ過ぎて…泣きたくなる」 「!」 (私と同じ事を) 一瞬にしてカッと熱くなった顔が恥ずかしくて逸らせようとした。 だけど康隆さんの大きな掌がガシッと私の両頬を固定して逸らせることが出来なかった。
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